救急機関員としての責任は、患者だけでなく同乗者の命も背負う重大なものです。
この最終回では、緊急走行中に感じた責任感や、極限の疲労を乗り越えた経験についてお話しします。
命を守る責任感とその重圧を、どのようにして克服してきたのかを振り返ります。
同乗者と患者の命を守る責任
救急機関員としての私の役割は、単に患者を安全に病院へ運ぶだけではありませんでした。
緊急走行時には、救急隊長や他の隊員の命も背負っています。
彼らが私の運転に全幅の信頼を寄せているという事実は、非常に大きな責任感を感じさせました。
どれだけ疲れていても、常に注意を払い危険を避けることが求められました。
特に、交通量の多い時間帯や悪天候時には、事故のリスクが高まります。
自分の運転ミスが同乗者や患者を危険にさらすかもしれないというプレッシャーは常にありました。
特に、夜間や長時間の出動が続くと、疲労による判断力の低下が起こりやすく、その中での集中力の維持がどれほど重要かを身をもって実感しました。
緊急走行における危険と疲労
緊急走行は常に危険と隣り合わせです。
スピードを出しながらも安全を確保する、そのバランスを保つことが常に求められます。
しかし、連続した出動が続くと、緊張感に加えて身体的・精神的な疲労が蓄積していきます。救急隊員として、数時間の睡眠後に再び出動することは珍しくありません。
私自身、長時間の連続出動後、運転中に意識が朦朧となることもありました。
そうしたとき、「眠気を抑えながら無事にこの運転を終えられるのだろうか」と不安がよぎることもありました。
しかし、その不安に打ち勝つのは、やはり「命を預かっている」という強い責任感でした。
私のミスで同乗者や患者を危険にさらすわけにはいかない、その意志が極限の疲労でも私を支えてくれたのです。
意識が飛びそうになる瞬間とその克服
疲労が限界に達すると、運転中に一瞬意識が飛びそうになることがあります。
特に長時間の出動が続くと、集中力を保つのが難しくなる瞬間がありました。
そんなとき、私は自分に言い聞かせました。
「これは命に関わる仕事だ。絶対にミスは許されない」と。
強い自己暗示と呼吸を整えることで、意識を集中させていました。
また、適度な水分補給や、短いながらも休憩を取ることで疲労を少しでも和らげるよう心がけました。
現場での迅速な対応が必要な反面、体調管理も同様に重要であると学んだからです。
また、仲間との信頼関係も大きな支えでした。
疲労が限界に達したとき、同乗する隊員や隊長が声をかけてくれることで気持ちがリセットされ、何度も助けられました。
【第4回】元救急隊員が語る:責任感と命を背負う重圧まとめ
この記事では、救急機関員として感じた責任感や、緊急走行中の疲労、そしてその克服についてお話ししました。
命を守るという重圧と、それに打ち勝つための強い意志が、私を支えてきました。
この強い責任感こそが、数々の困難を乗り越えるための原動力となりました。
これまでの連載を読んでいただき、ありがとうございました。
私の経験が皆さんに少しでも役立てば幸いです。
今後も、救急活動の裏側や実体験をお伝えしていく予定ですので、引き続きお楽しみください。
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