冬になると、大雪による交通の混乱や転倒事故が増えます。
特に 雪に慣れていない地域では、道路が滑りやすくなることを理解しておらず、転倒や事故が相次ぐ 傾向にあります。
それにもかかわらず、 「雪が降る」と事前に分かっていながら、無対策で外出して転倒し、救急車を呼ぶケースが少なくありません。
さらには 自転車での移動を続け、転倒して救急要請をする 例も見られます。
これでは 救急車という限られた医療資源が、本当に必要な人のもとへ行けなくなる可能性がある のです。
しかし、 決して「救急車を呼ぶな」と言っているわけではありません。
必要なときには迷わず要請すべきですが、 自分の要請が他の緊急患者に影響を与えないか、一度考えることが大切です。
この記事では、大雪の日に救急車を呼ぶべきかどうかの判断基準や、自分でできる対策について解説します。
1. 雪に不慣れな地域では救急車の到着が遅くなる
大雪の日、救急車の到着には 通常よりも時間がかかります。
その理由は、
- 道路の積雪や凍結で、救急車の走行が困難になる
- 渋滞に巻き込まれ、現場にたどり着くまでに時間を要する
- 隊員が雪道でストレッチャーを運ぶのに苦労する
その結果、 本当に一刻を争う患者のもとへ行けなくなるリスク が高まります。
特に、 軽症にもかかわらず救急車を要請するケースが増えると、重症患者の対応が遅れる恐れがある ため、適切な判断が求められます。
2. 転倒リスクは事前に防げる!
雪の日の転倒事故は ある程度予防できる ものです。
以下のような対策を取るだけで、転倒のリスクは大きく減らせます。
✅ 滑りにくい靴を履く(靴底に滑り止めをつける)
✅ 小股でゆっくり歩く
✅ 手袋を着用し、ポケットに手を入れずに歩く
✅ 不要不急の外出を控える
特に 雪道での自転車移動は極めて危険です。
自転車が滑ることは容易に予想できるにもかかわらず、「無理に乗り続け、転倒して救急要請をする」ことは 自己責任の範囲を超えている と言わざるを得ません。
3. 救急車は有限!適切な利用を考えよう
救急車は 誰もが利用できる公共のサービス ですが、その台数には限りがあります。
たとえば、大雪の日に 「転んで足が痛い」 という軽症の人が次々と救急車を呼んでしまうと、
- 脳卒中や心筋梗塞など、緊急を要する患者の対応が遅れる
- 重大な交通事故の負傷者を搬送できなくなる
- 救急隊が出払ってしまい、本当に助けが必要な人のもとへ行けなくなる
こうした事態を防ぐためにも、 モラルを持って適切な判断をすることが重要です。
ただし、 決して「救急車を呼ぶな」と言っているわけではありません。
✅ 歩けないほどのケガなら、迷わず救急車を呼ぶべきです。
✅ 頭を強く打ったり、意識がもうろうとしている場合も要請が必要です。
実際の現場では、突然のケガや体調不良で動揺し、周囲の人に「救急車を呼んだほうがいい」と促されて、つい要請してしまうこともあります。
しかし、 冷静に状況を判断できる状態ならば、「自分の救急要請が、ほかの命に影響を与えるかもしれない」と考えることも大切です。
4. まとめ ~救急車は「もしものため」に温存する意識を~
大雪の日の救急要請は、通常よりも搬送時間がかかり、救急車の台数も限られるため、 本当に緊急の人に届けられない可能性がある ことを理解しておくべきです。
✅ 天気予報を確認し、不要不急の外出を控える
✅ 転倒リスクを最小限にするための対策をとる
✅ 軽症ならタクシーや家族の送迎、時間外診療を利用する
「もし自分や家族が、本当に命の危険に直面したとき、救急車がすぐに来なかったら…?」
そう考えたとき、 適切な救急要請を心がけることが、結果的に自分や大切な人の命を守ることにつながる のです。
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