突然ですが、あなたが119番通報をしたあと、知らない番号から電話がかかってきた経験はありませんか?
「知らない番号だから出ない」
「もしかして営業電話?」
「今はそれどころじゃないのに…」
そんな風に思ってスルーしてしまった方、もしかしたらその電話は、救急隊員からのものだったかもしれません。
この記事では、なぜ救急隊員が119番通報後に電話をかけてくるのか?
その理由と、電話に出ることの大切さを、元救急隊員の視点からお伝えします。
■ 救急隊員が電話をかけてくるのはなぜ?
救急車は119番通報を受けるとすぐに出動しますが、現場に向かっている途中で追加の情報が必要になることがあります。
そのため、救急隊員が通報者に直接電話をかけることがあるのです。
具体的には、以下のような理由があります。
✅ 傷病者の詳細な情報を知るため
「年齢・性別・基礎疾患・既往歴・普段の様子」といった、通報時には聞き取れなかった情報を確認することで、現場での対応をよりスムーズに行えます。
✅ 今現在の傷病者の状態を確認するため
「意識はあるか?呼吸はどうか?変化はないか?」など、状況が刻々と変わる中で、最新の状態を知ることが非常に重要です。
✅ 応援要請の有無を判断するため
傷病者の状態によっては、救急隊だけでは対応が難しい場合があります。
たとえば、搬出に人手が必要なケースや、心肺停止などで迅速な処置が必要な場合には、消防隊(救助隊やポンプ隊など)に応援を要請することもあります。
その判断を早く行うためにも、今現在の状況や現場の環境などを通報者から直接確認する必要があるのです。
✅ 建物の場所がわかりにくい場合の案内のため
入り組んだ住宅地やマンション、店舗、工場などでは、住所だけでは正確に場所を特定できないことも。
通報者から案内してもらうことで、到着の遅れを防ぐことができます。
■ 電話に出ないと何が起こる?
救急車が現場近くまで来ていても、住所不明や情報不足によって到着が遅れることがあります。
場合によっては、
- 救急車が近くで迷ってしまう
- 正確な病態が分からず、対応が遅れる
- 応援が遅れてしまう
といった事態も起こり得ます。
■知らない番号でも出てほしい
救急隊員からの電話は、出動している救急隊の携帯電話などから発信されることがあります。
そのため、見慣れない番号でかかってくることも。
ですが、119番通報後に電話が鳴ったらぜひ一度出てみてください。
その一本の電話が、命を守る行動につながります。
■ まとめ:あなたの協力が命を守る
救急活動は、通報から始まっています。
救急隊員からの電話は、傷病者のもとへ少しでも早く、正確にたどり着くための大切な連絡手段です。
「誰からの電話?」と疑う前に、「もしかして救急?」と思ってぜひ出てください。
あなたのそのワンアクションが、傷病者にとって大きな支えとなります。
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