救急隊の仕事は本当にきついのか?
結論から言うと 「間違いなくきつい」 です。
体力的にも精神的にも過酷で、想像以上にハードな仕事です。
なぜなら、休憩や仮眠がままならないことは当たり前で、深夜でも関係なく出場が続くことも多々あります。
また、人の生死に直面する機会が非常に多く、それが精神的なストレスとなることも少なくありません。
では、具体的にどのような場面で「きつさ」を感じるのか?
元救急隊員として経験した リアルなエピソード を交えながらお話ししていきます。
体力的にきつい現場の実態
体力的なきつさを味わう場面は多々ありますが、その中でも 「大雪の日」 は特に過酷でした。
普段は雪の少ない地域にもかかわらず、その日は朝から大雪。
出場も止まらず、夜中も休む暇なく出場が続きました。
ようやく非番の時間が近づき、「この出場が終わればやっと帰れる…」と思ったのも束の間、無情にも次の出場指令が入ります。
しかも、出場先は遠方。大雪の影響で道路は大渋滞、現場到着まで 2時間以上 かかりました。
通常なら緊急走行で反対車線を走ることもできますが、この日は雪でそれもできず。
疲労困憊の中、何とか現場に到着し、無事に医療機関へ搬送しました。
「これでようやく帰れる…」
そう思ったのも束の間、無線が車内に響きます。
その瞬間、心が折れかけました。
私は救急機関員として長く働いてきましたが、隊長に 「もう限界です」 と伝えたのはこの時が初めてでした。
その言葉を受け、出場は他の隊に切り替わりました。
しかし安堵する間もなく、またすぐに次の指令が発令。
「今無理と言ったはずだろう…」
そう思う間もなく、指令はすでに流れ、有無を言わさず出場。
限界を超えた状態での戦いが再び始まりました。
何とか現場にたどり着き、最後の気力を振り絞って医療機関へ搬送。
事なきを得たものの、その時の集中力はまさにギリギリでした。
そしてようやく医療機関で交替が決まり、署に帰れたのは午後5時。
体力的にも精神的にも、まさに極限の一日でした。
精神的なきつさ—命がかかっている現場
救急隊の仕事は 「人の生死」 に直面する場面が多く、それが精神的な負担になります。
特に印象に残っているのは、 夜中の出場での出来事 です。
現場に到着すると、小さな子供が泣き叫びながら 倒れた父親に必死に呼びかけている という状況でした。
しかし、父親はすでに CPA(心肺停止状態)。
どれだけ蘇生処置をしても心拍は戻らず、そのまま搬送となりました。
子供の 「パパ!パパ!」 という泣き声が今でも耳に残っています。
また、別の日の 勤務明けの朝、出場した先で 父親が自損行為をして亡くなっていた現場 では、心が張り裂けそうになりました。
すでに体は冷たくなっており、蘇生の余地はなし。
その場にいた母親もショックのあまり言葉を発することができず、呆然としていました。
ふとリビングのカウンターを見ると、 ベビーモニターの画面に映る、小さな子供が二人。
まだ寝起きの状態でした。
その瞬間、胸が締めつけられました。
「この子たちは何も知らない。この先、父親のいない人生を歩んでいくのか…」
そして、ふと 自分の家族と重なりました。
小さな子供が二人、無邪気に眠る姿。
何も知らないまま、朝を迎えた子供たち。
それが、まるで自分の子供の姿と重なり、どうしようもない気持ちが込み上げてきました。
これまでの現場では、どんなに辛くても冷静でいようと心がけていました。
しかし、この時ばかりは耐えられず、涙があふれてしまいました。
「救えない命もある」
それが現実です。
そして、その現実に直面するたび心が少しずつ削られていくのも事実です。
それでも救急隊員を続けた理由
こんなにきつい仕事をなぜ続けたのか。
それは、やはり「人命を救う」ためです。
「患者の病態を把握し、適切な処置ができる医療機関へ搬送すること」、そして「重症患者や心肺停止の患者を救うことができたとき」の喜びがあったからです。
どんなに厳しい現場であっても、患者の命を救った瞬間に得られる達成感や、「ありがとう」の言葉によってすべてが報われる瞬間でした。
過去に心肺停止の患者を搬送し、その後社会復帰できたという知らせを聞いた時は、こみ上げるうれしさとともに、涙があふれたのを今でも思い出します。
まとめ
救急隊の仕事は間違いなくきついです。
体力的にも、精神的にも、想像以上の負担がかかります。
しかし、その分誰かの命を救うことができた時の喜びは計り知れません。
救急隊員の仕事に興味を持っている人は、この「きつさ」も含めて覚悟を持って挑戦してほしいと思います。
この仕事は、ただ「やりがいがある」だけでは続けられません。
命と向き合い続けるには、それ相応の覚悟が必要です。
そして、もし街で救急隊を見かけたら、少しでも彼らの苦労を理解し温かい目で見守ってもらえると嬉しいです。
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