救急車は本来、緊急の命の危険がある人のために存在します。
しかし、実際の現場では「本当にこれで救急車を呼ぶの?」と驚かされる要請が後を絶ちません。
救急車の出動が増えれば、本当に必要な人への対応が遅れることにもつながります。
今回は、私が実際に経験した「ありえない救急要請」の数々を紹介します。
これを読んで、救急車の適正利用について改めて考えていただければ幸いです。
1.病院の予約時間に遅れる
「病院の予約時間に間に合わないので、救急車で送ってほしい」と要請されることがあります。
これは明らかに緊急性がない事例です。
予約時間に遅れそうなら、事前に病院に連絡を入れ、時間変更が可能か確認するべきです。
そもそも、時間に余裕を持って家を出るという基本的なことができていれば、このような要請は不要です。
救急車はタクシーではありません。
2.夫婦げんかの仲裁
「夫婦げんかが激しくなり、手がつけられないので来てほしい」と救急要請されることがあります。
しかし、夫婦げんかは家庭内の問題であり、救急隊が対応するものではありません。
このような場合は、警察に相談するか、冷静になってお互いに話し合うことが必要です。
救急車が到着しても、けんかをやめさせることはできませんし、そもそも私たちにはその権限もありません。
3.病院の場所がわからない
「病院の場所がわからないので、救急車で連れて行ってほしい」といった要請もあります。
しかし、スマートフォンで地図を調べる、病院に電話をして道順を聞く、タクシーを利用するといった方法があるはずです。
病院の場所がわからないという理由で救急車を要請するのは、明らかに不適切な利用です。
4.子どもの発熱で救急要請(昼間医療機関を受診し、熱が下がらないため)
子どもが発熱すると、親としては心配になる気持ちは理解できます。
しかし、昼間に医療機関を受診し、特に異常がないと診断されたのに、夜になって熱が下がらないという理由で救急車を呼ぶのは適切ではありません。
実際に現場に到着してみると、子どもは元気に遊んでいることもあります。
こうしたケースでは、まず自宅で様子を見て、必要に応じて再度医療機関を受診することが望ましいです。
自家用車があるなら、それを利用すれば済む話です。
5.風邪気味で仕事に行き、症状悪化で救急要請
「朝から体調が悪かったが、仕事に行ったらさらに悪化したので救急車を呼びました」というケースもあります。
確かに、症状が急激に悪化することはありますが、そもそも体調が悪いときは無理をせず休むことが重要です。
風邪の症状があった時点で、無理をせずに適切な対応を取っていれば、救急車を呼ぶ事態にはならなかったはずです。
自分の体調管理は自己責任です。
6.自転車で転倒し、帰宅後に救急要請
「自転車で転倒してしまったが、とりあえず帰宅した。痛みがあるので救急車を呼んだ」という要請もあります。
しかし、自力で帰宅できたのであれば、そのまま自分で医療機関を受診することが可能です。
もちろん、明らかに骨折している、意識がもうろうとしているなどの重症であれば、救急要請は適切です。
しかし、軽傷であれば、救急車を呼ぶ前にまず医療機関に相談することを考えてほしいです。
7.包丁で指を切った
「包丁で指を切ってしまった。」との要請を受け、切断しているかもしれないと思い氷や止血帯を準備し緊急出動しました。
しかし、現場に到着してみると、指にはうっすらと切った痕があるだけで、出血も止まっており緊急性はまったくありませんでした。
こうした軽傷で救急車を呼ぶのは、本当に必要としている人の救命の機会を奪うことになります。
まずは冷静になり、ガーゼで止血し、必要なら自力で医療機関を受診する判断をしましょう。
まとめ
今回紹介したように、救急車を本当に必要とするケースではない要請が多く見受けられます。
救急車は、命の危機に直面している人のためにあるものです。
「ちょっと具合が悪いから」「移動手段がないから」という理由で安易に呼ばれることで、本当に必要としている人のもとに救急車が向かえなくなる可能性があります。
救急車の適正利用を心がけ、緊急性があるかどうかをしっかりと考えてから要請するようにしてください。
安易な救急要請は、誰かの命を危険にさらすことにつながるのです。
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